もらい事故での慰謝料相場と計算方法!増額方法も解説
☑ もらい事故の場合に慰謝料はどれくらいもらえるのだろうか
☑ 慰謝料はどうやって請求するのだろうか
上記のことが疑問ではありませんか。
もらい事故の場合であっても慰謝料はもらえます。
もっとも、慰謝料をもらうためにはしっかり通院する必要がある等、知識も必要になってきます。
慰謝料のことを考えずに事故の対応をしていると、思わぬ不利益を被ることもあります。
この記事では、もらい事故でもらえる慰謝料の計算方法、もらい事故でもらえる慰謝料を増額する3つの方法、もらい事故と過失相殺
について解説し、もらい事故の場合の損害賠償額のシミュレーションも行っています。
この記事でわかること
-
もらい事故でもらえる慰謝料の計算方法
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もらい事故でもらえる慰謝料を増額する3つの方法
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もらい事故と過失相殺
目次
もらい事故と通常の事故との違い
もらい事故とは、被害者と加害者が明らかな事故で、被害者側には非がなく過失割合が0:100の事故のことをいいます。
通常の事故の場合には、基本的には双方に過失がつくことが多いのに対し、もらい事故の場合には加害者側が一方的に悪いのが特徴です。
過失割合が0:100になる事故としては、信号待ち停車中の追突事故や、加害者がセンターラインオーバーしてきて正面衝突するような事故のことをいいます。
また、もらい事故で被害者の過失割合が0の場合には、保険会社の示談代行サービスが利用できないため、基本的には自分で保険会社との示談交渉を行う必要があります。
なので、自身での示談交渉が難しい場合には、弁護士に示談交渉の依頼をすることも検討した方がいいでしょう。
もらい事故でもらえる慰謝料の計算方法
もらい事故の場合に、被害者が怪我をして通院することになったら、加害者に慰謝料を請求することができます。
この章では、加害者に請求できる慰謝料の計算方法について解説します。
慰謝料の計算基準には3つの基準があり、金額の低い方から、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準があります。
自賠責基準 | 強制加入保険である自賠責保険が定める基準 一番金額が低くなる |
任意保険基準 | 任意保険基準が独自に定めている基準 自賠責基準よりは少し高いが、弁護士基準よりは低い |
弁護士基準 | 裁判所が採用している基準 一番金額が高くなる |
自賠責基準
自賠責基準とは、強制加入である自賠責保険において適用される基準のことです。
これは最低限の保険であるので、補償内容も最低額となっており、3つの基準の中では金額が一番低くなっています。
自賠責基準での慰謝料の計算方法は、①通院期間と、②通院日数の2倍を比較し、低い方を基準として日額4300円(令和2年4月1日以降に発生した事故に対する金額。それ以前の事故なら4200円)をかけることによって計算されます。
計算式)
①or②×4300円
よって、通院期間が6か月(180日)通院日数が50日の場合には、①180日>②100日=50日×2となるため、100日×4300円=43万0000円が慰謝料の金額となります。
任意保険基準
任意保険基準は公表されていませんが、各任意保険会社が所内で独自に決めている基準となります。
基本的には、自賠責基準よりも高く、弁護士基準よりも低い金額となっています。
弁護士基準
弁護士基準は裁判した場合に裁判所が認定する金額のことで、弁護士が示談交渉する際には、この基準をベースに慰謝料の交渉を行います。
基本的には、ほかの2つの基準よりも金額が高くなります。
具体的には、下記の表によって慰謝料を算定しており、骨折等の他覚所見がある場合には別表Ⅰ、むち打ち等の他覚所見がない場合には別表Ⅱを用います。
例えば、むちうちで6か月通院した場合には、他覚所見がないので別表Ⅱを用いて、慰謝料は89万円となり、骨折して8か月通院した場合には、他覚所見があるので別表Ⅰを用いて、慰謝料は132万円となります。
後遺障害慰謝料
後遺障害が残存し、後遺障害等級の認定を受けた場合には後遺障害に対する慰謝料を請求することができます。
後遺障害慰謝料の弁護士基準の金額は以下の通りとなります。
もらい事故でもらえる慰謝料を増額する3つの方法
もらい事故の場合でも、適当に慰謝料の請求をしているだけでは、しっかりとした慰謝料を獲得することはできません。
適切に慰謝料を獲得するために慰謝料を増額するにはいくつか方法がありますが、この章では慰謝料を増額する3つの方法を解説します。
- しっかりと通院する
- 弁護士に示談交渉を依頼する
- 裁判所に訴訟提起する
しっかりと通院する
交通事故の慰謝料は怪我をした場合に受け取れますが、怪我をしただけではダメで、怪我に対して通院をしてその入通院期間をもとに慰謝料は計算されます。
したがって、自己判断で通院を怠ってしまうと、慰謝料が低く計算されてしまいます。
また、後遺障害慰謝料は後遺障害等級が認定された場合に請求することができますが、後遺障害の判断においても通院期間が重要となります。
もちろん、慰謝料目的で過剰通院することはダメですが、医師と相談の上、しっかりと通院するようにしましょう。
弁護士に示談交渉を依頼する
慰謝料を増額するためには、しっかり通院したうえで保険会社と交渉する必要があります。
慰謝料については、算定基準が保険会社と弁護士で異なるため、弁護士が示談交渉することによって弁護士基準ベースで慰謝料の交渉を行うことができるため、金額の増額が見込めます。
特に、弁護士費用特約が使用できる場合には、基本的に自己負担なしで弁護士に示談交渉を依頼することができるため、弁護士に依頼するようにしましょう。
裁判所に訴訟提起する
適切な慰謝料を獲得するためには、裁判所に訴訟提起するという方法もあります。
裁判所に訴訟を提起し、怪我の状況や通院期間を認定してもらえると弁護士基準で慰謝料を獲得することができます。
もっとも、裁判所に訴訟を提起するのは、負担が大きいので、まずは訴訟提起する前に弁護士に依頼するかどうかも含めて相談するようにしましょう。
もらい事故でも過失相殺がされるケースがある
被害者の方がもらい事故と思っていても、実は被害者にも過失割合がつくケースもあります。
例えば、信号機のない交差点での出会い頭の事故で、加害者側に一時停止の規制があるのに一時停止を無視して事故が発生した場合であっても、基本的な過失割合は20:80となります。
したがって、もらい事故と思っていても過失割合がつくケースもあるので、過失の主張をされた場合には弁護士に相談するようにしましょう。
ケース別、もらい事故でもらえる損害賠償額シミュレーション
この章では、もらい事故被害に遭った場合に獲得できる損害賠償金を、事故状況別にシミュレーションします。
信号待ち停車中に追突され、むちうちで半年間通院した場合
治療期間:180日(6か月)
通院日数:60日
治療費:50万円
交通費:電車で片道200円
休業損害:日給1万2000円の仕事を20日間休業
過失割合:0%
治療費 | 50万円 |
交通費 | 2万4000円(200円×2×60日) |
休業損害 | 24万円(1万2000円×20日) |
慰謝料 | 89万円(弁護士基準、別表Ⅱ) |
合計 | 165万4000円 |
となります。なお、治療費を保険会社が直接病院に支払っている場合には、治療費分は差し引かれることになります。
加害者がセンターラインオーバーしてきて正面衝突。右足を骨折して1年2か月通院し、足の機能障害で後遺障害等級12級が認定された場合
治療期間:420日(14か月)
治療日数:80日
治療費:180万円
交通費:タクシーで片道1800円
休業損害:日給2万5000円の仕事を200日休業
症状固定時年齢:50歳
事故前年度年収:750万円
後遺障害等級12級
過失割合:0%
治療費 | 180万円 |
交通費 | 14万4000円 |
休業損害 | 500万円 |
傷害慰謝料 | 162万円 |
後遺障害慰謝料 | 290万円 |
後遺障害逸失利益 | 1382万4405円 (750万円×14%×13.1661(労働能力喪失期間17年に対応するライプニッツ係数)) |
合計 | 2528万8405円 |
となります。なお、治療費を保険会社が直接病院に支払っている場合には、治療費分は差し引かれることになります。
交通事故の相談は法律事務所Lapinへ!
交通事故の被害に遭ってしまった場合には、適切な対応を行わなければ、適切な慰謝料を受け取れない、示談金を低く見積もられてしまうなどの不利益を被ってしまいます。
そして、保険会社との交渉では、慰謝料の計算や、その他の損害額の計算、過失割合の交渉など、専門的な知識が求められることになります。
したがって、交通事故の示談交渉は弁護士に依頼した方がいいでしょう。
法律事務所Lapinが選ばれる理由!
弁護士といっても、交通事故に精通している弁護士や、交通事故案件をあまり担当したことがない弁護士もいます。
そして、交通事故の示談交渉では、交通事故の専門的知識や、保険会社との交渉経験等、弁護士においても知識の差によって結果が変わってしまいます。
法律事務所Lapinでは、交通事故の被害者側の依頼を500件以上担当した弁護士が交通事故の示談交渉を対応しますので、交通事故の専門的知識や経験は、他の弁護士に引けを取りません。
また、大手で大量に事件処理を行っている事務所では、事務員が担当として就き、弁護士となかなか話ができないケースもありますが、法律事務所Lapinでは弁護士が依頼者との連絡を行いますので、そのような心配はございません。
弁護士費用については、弁護士費用特約に加入されている方は、基本的に自己負担0円です。
なお、弁護士費用特約に加入されていない方も、弁護士報酬は基本的に成功報酬制なので、今お金がなくても安心してご依頼いただけます。
まとめ
いかがだったでしょうか。もらい事故の場合にもらえる慰謝料が理解できましたでしょうか。
もらい事故の場合には、被害者の過失が0%になるために、自身の保険の示談代行サービスを利用することができません。
また、もらい事故と思っていても、被害者側にも過失割合がつくケースもあります。
もらい事故の場合には、被害者の過失が0%なため、もらえる慰謝料の金額も大きくなる傾向にありますので、弁護士費用特約が使用できる場合には、弁護士にすぐに相談した方がいいでしょう。
投稿者プロフィール
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法律事務所Lapin代表弁護士。東京弁護士会所属。
都内大手の法律事務所2か所で勤務し、法律事務所Lapin(ラパン)を開設。依頼者が相談しやすい弁護士であるよう心掛けており、もっぱら被害者の救済のために尽力している。
主な取り扱い分野は、交通事故、相続、離婚、養育費、不貞慰謝料、B型肝炎訴訟、労働問題、削除請求、刑事事件、著作権侵害事件。
特に交通事故については、累計500件以上の解決実績がある。
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