【見本あり】交通事故示談書の書き方!必須6項目と3つの注意点
示談が成立し示談書を取り交わすこととなったが、示談書には何を記載すればいいのだろうか。
記載したらダメなこととかあるのだろうか・・・
交通事故で示談が成立すると、その内容を書面として残すために示談書を作成します。加害者が任意保険に加入している場合には、保険会社が示談書を作成しますが、被害者と加害者がお互い個人で示談交渉して示談が成立した場合には、どちらかが示談書を作成する必要があります。もっとも、示談書には絶対に記載しないといけない事項もあり、適当に作成してしまうと示談書が無効になってしまう可能性もあります。
この記事では、交通事故の示談書の見本、示談書に記載すべき6つの内容、示談書は誰が作成するのか、示談書を取り交わす際の3つの注意点等について解説しています。
この記事でわかること
- 交通事故の示談書とは
- 示談書に記載すべき6つの内容
- 示談書は誰が作成するのか
- 示談書を取り交わす際の3つの注意点
目次
交通事故の示談書とは
交通事故が発生すると、加害者は被害者に対して、民事上の損害を賠償する義務を負うことになります(民法第709条等)。そして、この賠償金について、被害者の方の損害に対して、加害者がどれくらい賠償するのかの話し合い(示談交渉)が行われます。
そして、示談が成立した場合に、合意した内容を書面にしておく必要があります。口頭のみであれば後で「言った、言わない」で揉める可能性があるためです。
その、成立した示談内容を書面化したものが「示談書」となります。
以下のものが、示談書の見本になります。
なお、示談の内容等については、下記の記事で解説しています。
交通事故示談書に必須の6つの内容
交通事故の示談書は示談した際に作成されるものですが、被害者加害者がお互い個人で交渉してきた場合には、どちらかが示談書を作成する必要があります。ここでは、上記の見本をもとに、示談書を作成する際に記載すべき6つの内容について解説します。
- 事故日時
- 事故場所
- 当事者
- 車両番号等
- 受け取る金額
- 清算条項
①事故日時
示談を行う場合には、この示談書がどの事件に対する示談書なのかを特定する必要があります。したがって、事故日時を正確に記載するようにしましょう。
事故日時は、交通事故証明書に記載されているので、それをもとに記載するようにしましょう。
②事故場所
示談内容を特定するために、事故の場所も記載するようにしましょう。
事故場所も、交通事故証明書に記載されているので、その記載をもとに記載するようにしましょう。
③当事者
示談を行う当事者を記載します。示談書の最終項目にも当事者が署名押印する箇所を用意しますが、示談書の本文中にも、事故の内容を特定するために当事者の名前を記載します。なお、通常は加害者が「甲」、被害者が「乙」として記載します。
上記の①②③の項目によって、誰と誰の間のどの件に関する示談書なのかが特定できることになります。
④自動車やバイクの車両登録番号
これも示談の対象となる事故を特定するために記載する事項になります。相手の車両番号は交通事故証明書に記載されているので、それをもとに記載するようにしましょう。
なお、歩行者や自転車の場合には記載不要です。
⑤被害者が受け取る金額
これはお互いが一番関心が強い事項となり、示談の内容としても一番重要となります。通常は「甲は、乙に対し、〇〇万円支払う」と記載します。
金額を記載する際に、示談成立前に加害者から賠償金の一部が支払われている場合には、「既払い金〇〇円の他に」などと記載して、すでに受け取った金額と、これから受け取る金額がわかるようにしましょう。
また、振り込みで支払ってもらう場合には、振込先の口座と、振込手数料をどちらが負担するのかについても記載するようにしましょう。
⑥清算条項
これは、示談後に追加で請求を受けないために、この示談書ですべて終わりということを示すための条項となります。「本示談書に定める事項以外に、なんら債権債務関係がないことを確認する」などと記載することになります。
双方の署名・押印
示談書が完成すれば、同じものを2通作成(コピー可)し、双方が署名・押印し、お互い1通ずつ保管しましょう。
なお、押印は実印でなくてもいいですが、シャチハタのようなものを使用するのは控えましょう。
示談書は誰が作成するのか?
示談が成立したとしても勝手に示談書が出来上がるわけではありません。どちらかが示談書を作成する必要があります
この章では、だれが示談書を作成することになるのかについて解説します。
加害者側に保険会社がついている場合
この場合には、被害者と加害者の保険会社の担当者との間で示談交渉がされていたと思います。その場合には、成立した示談内容について保険会社側が示談書に代わる「免責証書」というものを作成してくれます。被害者の方はその内容を確認し、署名押印して保険会社に返送することになります。
なお、示談書と免責証書の違いは、示談書は被害者・加害者双方が同じ書面に署名・押印する必要があるのに、免責証書の場合には被害者のみが署名・押印すれば足りるという点です。
なので、免責証書の方が加害者の署名・押印を省ける分、スムーズに示談手続を進めることができます。
したがって、保険会社が示談交渉に出てきている場合には、保険会社が示談書を作成することになります。
なお、通常は示談書(免責証書)取り交わし後、1~2週間程度で示談金が振り込まれます。
加害者本人と交渉している場合
加害者本人と示談交渉してきた場合には、被害者か加害者のどちらかが示談書を作成しないといけません。もっとも、示談書を作成する際には注意点もありますし、示談書を作成して示談金を受け取れる被害者の方が示談するメリットが大きいことから、被害者が示談書を作成するようにしましょう。
なお、示談書を作成する際には、ネット等の見本を参考に、記載すべき事項を漏れなく記載するようにしましょう。
示談書を取り交わす際の3つの注意点
示談書を取り交わす際に、適当に取り交わしをしてしまうと示談書がそもそも無効となってしまう可能性もあります。また、示談書を取り交わすと示談の効力が確定してしまうので、示談は慎重にする必要があります。
この章では示談書を取り交わす際の3つの注意点について解説します。
示談書は示談が成立してから作成する
示談交渉をし、示談が成立した場合に示談書を作成します。もっとも、被害者の一方が示談が成立したと勘違いをして示談書を作成してしまう場合があります。示談が成立していないのに示談書を作成したとしても、他方の署名押印が得られず示談をすることができませんので、示談交渉が成立してから示談書を作成するようにしましょう。
示談が成立すると撤回は困難
示談が成立し、示談書を取り交わすと示談の効力が生じます。このように示談が成立してしまうと、弁護士に依頼したとしても後から示談の内容を覆すことが困難となってしまいます。したがって、不当に低い金額で示談したり、示談項目が漏れないように、示談成立させる前にはしっかりと注意するようにしましょう。
なお、自身で示談金が妥当かどうかの判断ができない場合には、弁護士の無料相談等も利用するようにしましょう。
示談書を返送する前に金額が妥当か弁護士に相談する
被害者の方がご自身で示談交渉している場合には、請求項目が漏れていたり、示談金が不当に低い場合もあります。このような請求漏れや金額が低い状態で示談してしまったとしても、後から不服を言うこともできません。したがって、示談成立させる前に、示談内容について弁護士に相談してみましょう。
なお、交通事故の示談交渉を弁護士に依頼するメリットも大きいです。それについてはこちらの記事で解説しています。
交通事故の相談は法律事務所Lapinへ!
交通事故の被害に遭ってしまった場合には、適切な対応を行わなければ、適切な慰謝料を受け取れない、示談金を低く見積もられてしまうなどの不利益を被ってしまいます。そして、保険会社との交渉では、慰謝料の計算や、その他の損害額の計算、過失割合の交渉など、専門的な知識が求められることになります。
したがって、交通事故の示談交渉は弁護士に依頼した方がいいでしょう。
交通事故では弁護士に示談交渉を依頼するメリットが大きい
弁護士に示談交渉を依頼すると、保険会社との交渉を弁護士にすべて任せることができるため、交渉に対する心理的ストレスから解放されます。また、慰謝料について保険会社が採用している基準と弁護士が使用する基準では金額が大きく異なり、弁護士に交渉を依頼した方が最終的に受け取れる示談金も多くなります。
よって、交通事故の示談交渉は弁護士に依頼した方がいいでしょう。
法律事務所Lapinが選ばれる理由!
弁護士といっても、交通事故に精通している弁護士や、交通事故案件をあまり担当したことがない弁護士もいます。そして、交通事故の示談交渉では、交通事故の専門的知識や、保険会社との交渉経験等、弁護士においても知識の差によって結果が変わってしまいます。
法律事務所Lapinでは、交通事故の被害者側の依頼を500件以上担当した弁護士が交通事故の示談交渉を対応しますので、交通事故の専門的知識や経験は、他の弁護士に引けを取りません。
また、大手で大量に事件処理を行っている事務所では、事務員が担当として就き、弁護士となかなか話をできないケースもありますが、法律事務所Lapinでは弁護士が依頼者との連絡を行いますので、そのような心配はございません。
法律事務所Lapinでは弁護士費用特約も利用可能!
自身の保険や、ご家族の保険に弁護士費用特約が付帯している場合には、それを利用することによって、基本的に自己負担なく、弁護士に交通事故の示談交渉を依頼することができます(弁護士費用の300万円まで保険会社が負担するため)。また、弁護士費用特約はノンフリート等級なので、翌年の保険料にも影響はありません。
法律事務所によっては、報酬基準の違いで弁護士費用特約を利用できない場合もありますが、法律事務所Lapinでは基本的に弁護士費用特約を利用してご依頼いただくことが可能です。
まとめ
いかがだったでしょうか。示談書の記載内容や示談する際の注意点が理解できましたでしょうか。
一度示談が成立してしまうと、請求漏れがあったり、示談金額が不当に低かったとしても、それで納得しているという証拠ができてしまいますので、弁護士に相談したとしても後から示談内容を覆すことが困難となってしまいます。
特に、加害者が任意保険に加入していない場合には、交通事故に詳しい者が誰も関わっていない状態で示談が進んでいきますので、請求漏れ等が発生するリスクが大きくなってしまいます。
また、加害者に保険会社がついている場合でも、弁護士が示談交渉を行うことによって、慰謝料等が増額できる可能性もあります。
一度示談を成立させてしまうと、弁護士でもどうしようもなくなってしまいますので、示談を成立させる前に一度は弁護士に相談するようにしましょう。
投稿者プロフィール
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法律事務所Lapin代表弁護士。東京弁護士会所属。
都内大手の法律事務所2か所で勤務し、法律事務所Lapin(ラパン)を開設。依頼者が相談しやすい弁護士であるよう心掛けており、もっぱら被害者の救済のために尽力している。
主な取り扱い分野は、交通事故、相続、離婚、養育費、不貞慰謝料、B型肝炎訴訟、労働問題、削除請求、刑事事件、著作権侵害事件。
特に交通事故については、累計500件以上の解決実績がある。
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