トレントの著作権侵害で意見照会書が届いた場合の適切な対応を解説

☑ 著作権侵害をしたとして意見照会書が届いた
☑ 意見照会書で開示に同意した方がいいのか
☑ 刑事告訴されたくないが、どのように対応すればいいのか
意見照会書が届き、上記のような疑問はありませんか。
ここ最近、ビットトレント(bittorrent)などのファイル共有ソフトを通じて、トレントサイトからアダルトビデオをダウンロードした結果、今度は自分のパソコンからアダルトビデオがアップロードされたとして、アダルトビデオ製作会社から著作権侵害等を理由とした発信者情報開示請求及び損害賠償請求がされるケースが増えています。
そして、アダルトビデオなどの著作物を違法にアップロードすることは、民事上及び刑事上の責任の対象となり、適切に対応しなければ刑事告訴などされてしまう可能性もあります。
この記事では、トレントなどのファイル共有ソフトで違法アップロードした場合の2つの責任、プロバイダから意見照会書が届いた場合の対応、損害賠償金の相場、等について解説しています。
この記事でわかること
- 違法アップロードした場合の2つの責任
- プロバイダから意見照会書が届いた場合の対応
- 損害賠償金の相場
目次
ファイル共有ソフトで違法アップロードした場合の2つの責任

トレントなどのファイル共有ソフトでは、動画データをダウンロードすると、同時に動画データをアップロードするようになっており、これにより制作会社の著作権(公衆送信権等)を侵害することになります。
このように、制作会社の著作権を侵害することは、民事上では損害賠償請求の対象となり、刑事上では著作権法違反として刑事処分の対象となります。
民事上の責任
これは、制作会社の著作権を侵害したことに対する損害賠償責任のことです。
具体的には、違法アップロードされなければ制作会社が得ていた利益を賠償することになり、アップロードされた動画のダウンロード数✖単価によって計算されたりします。
したがって、違法アップロードされた動画のダウンロード数が多ければ多くなるほど、損害賠償請求の金額も大きくなり、場合によっては数百万円を超えてくることもあります。
また、日常的にトレントなどのファイル共有ソフトを利用している場合には、違法アップロードした動画の数も多くなり、その分、損害賠償の金額も大きくなる傾向にあります。
刑事上の責任
著作物を違法にアップロードする行為は、著作権法に違反する行為であり、10年以下の懲役刑と1000万円以下の罰金のいずれか、またはその双方を科される可能性もあります。
もっとも、著作権法違反は「親告罪」とされており、被害者(制作会社)からの告訴がなければ刑事責任を問われません。
したがって、刑事責任を回避するためには、早期に制作会社側と示談交渉を行い、刑事告訴しない旨確約してもらう必要があります。
プロバイダから意見照会書が届いた場合の対応

トレントなどによる著作権侵害で責任追及されていることについては、通常はプロバイダからの意見照会書によって初めてわかります。
この章では、プロバイダから意見照会書が届いた場合の対応について解説しています。
意見照会書とは
トレントにより著作権侵害をした場合に、制作会社側が損害賠償請求などを行うには、アップロードした者の氏名や住所等の情報を取得する必要があります。
具体的には、アップロードされた動画に関連するIPアドレスなどから契約プロバイダを特定し、プロバイダに対して発信者情報開示請求を行うことになります。
そして、発信者情報開示請求を受けたプロバイダは、その氏名や住所等を請求者に対して開示しても良いかどうか、契約者に対して「発信者情報開示に係る意見照会書」を送ります。
これが意見照会書が届く理由です。
意見照会書の開示意見については「同意」した方がいいケースが多い
意見照会書においては、情報を請求者に開示していいか、こちらの意見を記載する欄が設けられています。
これにつき、開示を「拒否する」と回答したとしても、プロバイダ側の判断で開示される可能性がありますし、裁判手続きを経ることによって開示される可能性もあります。
したがって、開示を拒否するだけの正当な理由がない限り、開示については「同意」した方がいいでしょう。
開示に同意することによって、請求者と早期に示談交渉をスタートすることができ、刑事告訴を回避することができる可能性もあります。
また、開示される可能性が高いのであれば、開示を拒否して徹底的に争うよりも、同意して早期に示談交渉に進む方が、精神衛生上もいいでしょう。
なお、制作会社側との示談交渉については、以下の記事で解説しています。
意見照会書を無視するのはおすすめできない
意見照会書が届いたとしても、契約者がこれに対応するかどうかは任意ですので、意見照会書を無視するという選択もできます。
もっとも、意見照会書を無視しても、プロバイダ側の判断で開示がされたり、裁判手続きを経ることによって開示される可能性もあります。
したがって、意見照会書については無視せず、真摯に対応した方がいいでしょう。
著作権侵害の損害賠償金の相場
著作権侵害をした場合には、違法アップロードした動画によって、制作会社側にどれだけの損害が発生したかによって賠償金を計算することになります。
したがって、動画数やダウンロード数が多ければ数百万円になることもあります。
もっとも、示談交渉で解決する場合には、内容によりますが数十万円や百万円程度で示談できるケースも多いです。
また、早期に開示に応じている場合には、その分相手に発生した手続費用も低くなるので、低額で示談ができる可能性が生じます。
違法アップロードによる損害賠償請求の相談なら法律事務所Lapinへ!

法律事務所Lapinでは、トレントなどのファイル共有ソフトで動画を違法アップロードした方の損害賠償について対応しています。
この問題については、早期に弁護士に相談し、早期示談を行うことにより、示談金を低額に抑えたり、刑事告訴を免れることができます。
法律事務所Lapinの民事の責任に関する費用体系は以下の通りです。
相談料 | 初回相談料無料 |
着手金 | 20万円(税込22万円) 訴訟等の手続に移行する場合には別途 |
成功報酬 | 相手の請求金額の減額分の5%(税込5.5%) (なお、弁護士費用の最低額は20万円(税込22万円)) |
著作権侵害の案件は早期対応が肝心ですので、意見照会書が届いたタイミングから弁護士に相談するようにしましょう。
投稿者プロフィール

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法律事務所Lapin代表弁護士。東京弁護士会所属。登録番号56838。
都内大手の法律事務所2か所で勤務し、法律事務所Lapin(ラパン)を開設。依頼者が相談しやすい弁護士であるよう心掛けており、もっぱら被害者の救済のために尽力している。
主な取り扱い分野は、交通事故、相続、離婚、養育費、不貞慰謝料、B型肝炎訴訟、労働問題、削除請求。
特に交通事故については、累計500件以上の解決実績がある。
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