交通事故で通院6か月の慰謝料の相場と後遺障害が残った場合の対応

怪我の治療

☑ 交通事故で6か月通院したが慰謝料はどれくらいもらえるのだろうか

☑ 慰謝料の相場ってどうやって決まっているのだろうか

☑ 後遺障害が残ったが、後遺障害の損害賠償はどのようなものだろうか

上記のようなことが疑問ではありませんか。

慰謝料は通院期間によって相場が決まっていますが、相場通りの慰謝料を受け取るためには、交渉の工夫が必要になってきます。

また、6か月通院したとしても後遺障害が残っている場合には、後遺障害が残存したことに対する賠償を受け取ることができます。

この記事では、通院6か月した場合の慰謝料の相場、慰謝料の3つの計算基準と計算方法、6か月通院しても後遺症が残った場合に認定される可能性のある後遺障害等級、適切な慰謝料を獲得するための3つのポイント等について解説しています。

この記事でわかること

  • 通院6か月した場合の慰謝料の相場
  • 慰謝料の3つの計算基準と計算方法
  • 6か月通院しても後遺症が残った場合に認定される可能性のある後遺障害等級
  • 適切な慰謝料を獲得するための3つのポイント

交通事故で通院6か月した場合の慰謝料の相場

慰謝料の相場

交通事故で6か月通院した場合の慰謝料の相場は、通院状況や怪我の状況によって異なります。

この章では、むち打ち症や骨折で6か月程度通院した場合の慰謝料の相場について解説します。

むち打ち症の場合

むち打ち症とは、いわゆる首の捻挫であり、首の痛みや体のしびれ、頭痛や耳鳴りなども伴うことがあります。

特に車に乗車中、追突されることによって生じることが多いです。

むち打ち症の治療期間の目安は3か月~6か月なので、6か月程度通院することもよくあります。

むち打ち症で6か月通院した場合の慰謝料の相場は、自賠責基準で70万円、弁護士基準で89万円となります。

自賠責基準の慰謝料約70万円
弁護士基準の慰謝料約89万円

もっとも、自賠責保険は保障上限金額が120万円であり、治療費等も含めて120万円ですので、慰謝料が計算通りもらえるわけではありません。

通常は6か月分の治療費で60万円くらいはかかるので、慰謝料としてもらえる金額は60万円を下回るでしょう。

骨折した場合

歩行者や自転車、バイクに乗車中に自己に遭って転倒した場合には骨折することがあります。

骨折した場合には、基本的には仮骨が形成されるまで経過観察し、骨がある程度形成された後にリハビリを行うことになります。

したがって、骨折から回復するまでには通常は半年程度かかるケースが多いです。

交通事故で骨折して6か月通院した場合の慰謝料の相場は、自賠責基準で60万円、弁護士基準で116万円となります。

自賠責基準の慰謝料約70万円
弁護士基準の慰謝料約116万円

交通事故の慰謝料の計算方法

交通事故の慰謝料の計算方法には金額の低い方から、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準の3つの基準があり、基本的には通院期間や通院回数によって慰謝料を計算することになります。

この章では、各基準での慰謝料の計算方法を解説します。

自賠責基準強制加入保険である自賠責保険が定める基準
一番金額が低くなる
任意保険基準任意保険基準が独自に定めている基準
自賠責基準よりは少し高いが、弁護士基準よりは低い
弁護士基準裁判所が採用している基準
一番金額が高くなる

自賠責基準

自賠責基準とは、強制加入である自賠責保険において適用される基準のことです。

これは最低限の保険であるので、補償内容も最低額となっており、3つの基準の中では金額が一番低くなっています。

自賠責基準での慰謝料の計算方法は、①通院期間と、②通院日数の2倍を比較し、低い方を基準として日額4300円(令和2年4月1日以降に発生した事故に対する金額。それ以前の事故なら4200円)をかけることによって計算されます。

計算式)

①or②×4300円

よって、通院期間が6か月(180日)通院日数が60日の場合には、①180日>②120日=60日×2となるため、120日×4300円=51万6000円が慰謝料の金額となります。

任意保険基準

任意保険基準は公表されていませんが、各任意保険会社が所内で独自に決めている基準となります。

基本的には、自賠責基準よりも高く、弁護士基準よりも低い金額となっています。

個人で保険会社と交渉する場合には、任意保険基準で示談提示されることが多いです。

弁護士基準

弁護士基準は裁判した場合に裁判所が認定する金額のことで、弁護士が示談交渉する際には、この基準をベースに慰謝料の交渉を行います。

基本的には、ほかの2つの基準よりも金額が高くなります。

具体的には、下記の表によって慰謝料を算定しており、骨折等の他覚所見がある場合には別表Ⅰ、むち打ち等の他覚所見がない場合には別表Ⅱを用います。

慰謝料
慰謝料

例えば、むちうちで6か月通院した場合には、他覚所見がないので別表Ⅱを用いて、慰謝料は89万円となります。

交通事故で6か月通院した場合に認定される可能性のある後遺障害等級と賠償項目

通院を継続しても医学上これ以上良くならない状態のことを症状固定といいます。

そして、6か月通院して症状固定となり、なおも痛み等が残存している場合には後遺障害が認定される可能性があります。

6か月通院しても痛み等が残存している場合に認定される後遺障害等級は12級と14級の可能性があります。

後遺障害の認定基準

後遺障害慰謝料

後遺障害が残存し、後遺障害等級の認定を受けた場合には後遺障害に対する慰謝料を請求することができます。

後遺障害慰謝料の弁護士基準の金額は以下の通りとなります。

慰謝料

後遺障害逸失利益

逸失利益とは、怪我の後遺症が残った場合に、その怪我のために将来の労働能力に影響が生じ、そのために将来獲得できる賃金が下がることにたいする損害賠償のことです。

逸失利益は、自賠責保険による後遺障害等級の認定がされた場合に、その認定された等級に応じて請求できるものとなっています。

計算式)

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

という計算式によって逸失利益は計算されます。

そして、基礎収入は基本的には事故前年度の年収を用い、労働能力喪失率は下記の表を参考にして算定されます。

労働能力喪失率

労働能力喪失期間とは、後遺障害が仕事に影響を及ぼす期間のことです。

本来なら定年とか終身雇用、再就職などもありますが、実務では原則として症状固定時の年齢から67歳までの年数を労働能力喪失期間としています。

なお、高齢者の場合には、平均余命の2分の1の期間を労働能力喪失期間とすることもあります。

また、むち打ち症等の神経症状で後遺障害等級が認定された場合には、14級の場合には5年、12級の場合には10年に労働能力喪失期間が制限されます。

ライプニッツ係数とは、本来なら毎年受け取るはずの逸失利益を先に一括で受け取ることで、その金額に対する利息分被害者が得をするので、それを調整するための係数のことです。

現行民法では、利息が3%としてライプニッツ係数を計算することになります。

例えば、40歳で年収500万円の人がむち打ち症により後遺障害等級第14級と認定された場合の逸失利益

500万円×5%×4.58=114万5000円

となります。

通院6か月の場合に適切な慰謝料を獲得するための3つのポイント

慰謝料の相場は上記の通りですが、慰謝料のことを考えず適当に通院しているだけでは相場通りの慰謝料を受け取ることができません。

この章では、相場通りの慰謝料を受け取るための3つのポイントについて解説します。

しっかりと通院する

交通事故の慰謝料は怪我をした場合に受け取れますが、怪我をしただけではダメで、怪我に対して通院をしてその入通院期間をもとに慰謝料は計算されます。

したがって、自己判断で通院を怠ってしまうと、慰謝料が低く計算されてしまいます。

もちろん、慰謝料目的で過剰通院することはダメですが、医師と相談の上、しっかりと通院するようにしましょう。

痛み等はしっかりと医師に伝える

4-2 

6か月通院しても痛みが残っている場合には後遺障害の申請を検討することになります。

その際には、通院していた病院の診断書を提出することになり、そこに記載されている内容が重要となります。

医師の診断書は、被害者の方が通院時に申告した内容も書かれますので、強がって痛みがないなどと申告せず、痛み等はしっかりと伝えるようにしましょう。

弁護士に示談交渉を依頼する

最終的に示談金をいくらもらえるのかは、示談項目の金額の総額によって

決まります。慰謝料については、算定基準が保険会社と弁護士で異なるため、弁護士が示談交渉することによって金額の増額が見込めます。

特に、弁護士費用特約が使用できる場合には、基本的に自己負担なしで弁護士に示談交渉を依頼することができるため、相場通りの示談金を獲得するために弁護士に示談交渉を依頼するようにしましょう。

通院6か月した場合の損害賠償額シミュレーション

怪我の治療

この章では、通院6か月した場合の損害賠償額のシミュレーションを行います。

ただし、実際にはこのシミュレーション通りの賠償金が獲得できるかはわかりませんので、ご了承ください。

捻挫で6か月、70日間通院し、完治した場合

通院期間:180日(6か月)

通院日数:70日

治療費:50万円

交通費:バスで片道200円

休業損害:日額1万円の仕事を20日間休業

上記の場合の損害賠償額は

治療費50万円
交通費2万8000円(200円×2×70日)
休業損害20万円(1万円×20日)
慰謝料89万円(弁護士基準)
合計161万8000円

となります。なお、治療費について保険会社が医療機関に直接支払っている場合には、治療費は既払い金として合計金額から差し引かれることになります。

むち打ち症で通院6か月、80日通院し、後遺障害等級14級が認定

症状固定時年齢:45歳

事故前年度年収:600万円

治療期間:180日(6か月)

治療日数:80日

治療費:60万円

交通費:電車で片道300円

休業損害:日額2万円の仕事を30日休業

後遺障害等級:14級

とすると、損害賠償額は

治療費60万円
交通費4万8000円(300円×2×80日)
休業損害60万円(2万円×30日)
通院慰謝料89万円
後遺障害慰謝料110万円
後遺障害逸失利益137万4000円
(600万円×5%×4.58(労働能力喪失期間5年に対応するライプニッツ係数))
合計461万2000円

となります。治療費について保険会社が医療機関に直接支払っている場合には、治療費は既払い金として合計金額から差し引かれることになります。

交通事故の相談は法律事務所Lapinへ!

弁護士に任せる

交通事故の被害に遭ってしまった場合には、適切な対応を行わなければ、適切な慰謝料を受け取れない、示談金を低く見積もられてしまうなどの不利益を被ってしまいます。

そして、保険会社との交渉では、慰謝料の計算や、その他の損害額の計算、過失割合の交渉など、専門的な知識が求められることになります。

したがって、交通事故の示談交渉は弁護士に依頼した方がいいでしょう。

法律事務所Lapinが選ばれる理由!

弁護士といっても、交通事故に精通している弁護士や、交通事故案件をあまり担当したことがない弁護士もいます。

そして、交通事故の示談交渉では、交通事故の専門的知識や、保険会社との交渉経験等、弁護士においても知識の差によって結果が変わってしまいます。

法律事務所Lapinでは、交通事故の被害者側の依頼を500件以上担当した弁護士が交通事故の示談交渉を対応しますので、交通事故の専門的知識や経験は、他の弁護士に引けを取りません。

また、大手で大量に事件処理を行っている事務所では、事務員が担当として就き、弁護士となかなか話ができないケースもありますが、法律事務所Lapinでは弁護士が依頼者との連絡を行いますので、そのような心配はございません。

弁護士費用については、弁護士費用特約に加入されている方は、基本的に自己負担0円です。

なお、弁護士費用特約に加入されていない方も、弁護士報酬は基本的に成功報酬制なので、今お金がなくても安心してご依頼いただけます。

まとめ

いかがだったでしょうか。通院6か月した場合の慰謝料の相場が理解できましたでしょうか。

まとめると、通院6か月した場合の慰謝料の相場は、自賠責基準で約70万円、弁護士基準で89万円となります。

そして、6か月通院しても痛み等が残る場合には、以下の後遺障害が認定される可能性があり、後遺障害等級が認定された場合には、後遺障害慰謝料や逸失利益を請求できます。

また、慰謝料を相場通りに獲得するための3つのポイントは

  • しっかりと通院する
  • 痛み等を医師にしっかり伝える
  • 弁護士に示談交渉を依頼する

となります。

特に、弁護士費用特約が使用できる場合には、基本的に自己負担なく弁護士に示談交渉を依頼することができますので、弁護士に示談交渉を依頼して慰謝料を増額してもらうようにしましょう。

投稿者プロフィール

弁護士
弁護士 河井浩志
法律事務所Lapin代表弁護士。東京弁護士会所属。
都内大手の法律事務所2か所で勤務し、法律事務所Lapin(ラパン)を開設。依頼者が相談しやすい弁護士であるよう心掛けており、もっぱら被害者の救済のために尽力している。
主な取り扱い分野は、交通事故、相続、離婚、養育費、不貞慰謝料、B型肝炎訴訟、労働問題、削除請求、刑事事件、著作権侵害事件。
特に交通事故については、累計500件以上の解決実績がある。