交通事故で保険会社と示談交渉する交渉術と6つのポイントを解説
交通事故で保険会社と示談交渉することになったがなにを話せばいいのだろうか。有利になるように交渉を進めたいな・・・
交通事故で保険会社と示談交渉することになった場合に、上記のことが不安ではありませんか?通常は自身の保険会社が示談代行してくれますが、示談代行サービスが利用できない場合には、自身で保険会社と示談交渉をしていく必要があります。もっとも、何も知らないまま示談交渉を進めてしまうと、思わぬ不利益を被ってしまうこともあります。
この記事では
- 交通事故で自分で示談交渉しなければならない場合
- 交通事故で保険会社と示談交渉をする際の6つのポイント
について解説しています。
この記事を読めば、保険会社と自分で示談交渉する際の注意点が理解できるでしょう。
目次
交通事故で被害者自身が保険会社と交渉する必要がある場合とは?
交通事故が発生した場合に、自分が被害者であっても、自身が任意保険に加入している場合には、任意保険会社に示談代行サービスが付帯してることが多いので、加害者の保険会社との交渉も自身の保険会社が対応してくれます。
もっとも、下記のケースでは、被害者の方が直接加害者の保険会社と交渉する必要があります。
0:10の被害者の場合
通常は保険会社の示談代行サービスを利用して保険会社が示談交渉を行ってくれます。もっともこれは、被害者にも過失があり、被害者側の保険会社も被害者の過失分、加害者側に賠償金を支払う必要があるからこそ、保険会社が「自身の」支払いに関するものとして、当事者として示談交渉に関わることができるのです。
もっとも、0:10の被害者の場合には、被害者側の保険会社は、被害者に過失がないため加害者側に支払うものがなにもなく、被害者側の保険会社にとっては「自身の」支払いに関係がないことになります。その場合に保険会社が被害者に代わって示談交渉することは「他人の」支払いに関することの交渉を行うことになり、弁護士法第72条に反する行為となってしまいます。
したがって、0:10の被害者の場合には、自身の保険会社の示談代行サービスを利用することができません。
任意保険に加入していない、示談代行サービスが付帯していない
任意保険に加入していないと、そもそも示談代行を行ってくれる保険会社がいませんので、被害者本人で加害者側の保険会社と示談交渉を行う必要があります。
また、稀に任意保険に示談代行サービスが付帯していないケースがあり、その場合にも、被害者本人で加害者側の保険会社と示談交渉を行う必要があります。
保険会社が頼りない場合
これは、自分で示談交渉しなければならないケースではありませんが、保険会社に示談交渉を任せていたとしても、被害者の方のために全力で交渉してくれるとは限りません。例えば、過失割合については保険会社も自身の支払いに関係するので交渉してくれますが、被害者の方が受け取る慰謝料については、保険会社は関心がないため、しっかりと交渉してくれるかわかりません。
特に、被害者の保険会社と加害者の保険会社が同一の場合には、被害者の方のために全力で示談交渉してくれるかは疑問です。
したがって、保険会社の示談代行が頼りないと感じた場合は、自身ないし弁護士に依頼して示談交渉を進めた方がいいでしょう。
交通事故で保険会社と示談交渉する際の6つのポイント
上記のように、被害者の方自身で保険会社と示談交渉するにしても、何も準備しなければ、交渉を仕事としている保険会社と対等に示談交渉はできません。
この章では、示談交渉する際の準備事項や心構えなどの6つのポイントを解説します。
- 資料の準備
- 根拠を示す
- 冷静に対応
- 後日回答
- 治療終了してから交渉開始
- 時効期間に注意
事前に資料を準備しておく
交渉するためには交渉材料が必要であり、交通事故の場合には、治療内容や休業状況などを主張していく必要があります。
必要な資料としては、
- 診断書、診療報酬明細書
- 休業損害証明書
- 後遺障害等級認定結果
などがあります。
これらについては、基本的に保険会社が収集しているか、被害者が収集した物を保険会社に送っていると思いますので、保険会社に資料を開示するように伝えましょう。
主張の根拠を示す
資料が集まったとして、その資料を基にして法的な主張を行っていく必要があります。例えば、「治療期間が●●なので、赤い本によると慰謝料は●●になります」や、「事故状況が●●なので、判例タイムズによると過失割合は〇:〇になります」などです。
この主張の根拠を示すためには、慰謝料の計算方法や、過失割合の認定方法を理解しておく必要があります。
参考となる書籍としては
- 交通事故損害賠償額算定基準(赤い本)
- 別冊判例タイムズ
などがあります。
これらは、交通事故の損害賠償の計算方法や過失割合の認定について、裁判所が基準としているものが載っている書籍となります。
冷静に対応する
保険会社と交渉する際には、こちらに不利な部分を主張されたり、こちらの主張を否定されたりなど、ストレスが溜まることも多いかと思います。もっとも、それで頭にきて怒鳴ったりしてしまっても、交渉がまとまるはずがありません。
あくまで相手の保険会社も加害者側の人間ですのでこちらに不利な主張をしてくるのは当然ですので、交渉をうまくまとめるためには、冷静に対応し、何か言われたとしても適切に反論することを心がけましょう。
適当な回答はせず、後日回答にする
保険会社から何か言われた際に、わけもわからず適当に回答してしまうと、そこから思わぬ不利益を被る可能性があります。
したがって、保険会社のいっていることがわからない場合や、どう回答していいかわからない場合には、すぐに適当な回答をせずに、いったん回答は保留として、冷静に判断してから回答するようにしましょう。
治療終了して損害額がすべてわかってから交渉する
損害賠償金は、治療終了して初めて全体像がわかります。なので、治療終了前に示談交渉を始めてしまうと、ある項目での一部の示談しか成立できないことになります。示談交渉は、そもそもお互いに譲歩して解決を目指すものであるところ、損害項目が多いほうが、この部分は譲歩するがこの点は譲れない等交渉の幅が広がるので、治療終了して損害賠償額がすべてわかってから本格的に示談交渉を始めるようにしましょう。
なお、示談の流れについては以下の記事で解説しています。
時効期間には注意しよう
示談交渉を始めたとしても、お互いが合意できなければ示談は成立しません。もっとも、その場合に示談が成立しないからといって放置していると、消滅時効が成立し、損害賠償請求ができなくなる可能性があります。
したがって、示談交渉が行き詰まったとしても放置せず、次の方針を取るようにしましょう。
自分での示談交渉に行き詰まったら弁護士に依頼しよう
上記のポイントを守って保険会社と示談交渉をしたとしても、納得いく結果が得られないこともあります。
その場合に、弁護士に示談交渉を依頼することによって、状況を打開できる可能性があります。
なので、交渉に行き詰まった場合には、今後の方針の相談も含めて、一度弁護士に相談してみましょう。
なお、交通事故の示談交渉を弁護士に依頼するメリットについては、以下の記事で解説しています。
交通事故の相談は法律事務所Lapinへ!
交通事故の被害に遭ってしまった場合には、適切な対応を行わなければ、適切な慰謝料を受け取れない、示談金を低く見積もられてしまうなどの不利益を被ってしまいます。そして、保険会社との交渉では、慰謝料の計算や、その他の損害額の計算、過失割合の交渉など、専門的な知識が求められることになります。
したがって、交通事故の示談交渉は弁護士に依頼した方がいいでしょう。
交通事故では弁護士に示談交渉を依頼するメリットが大きい
弁護士に示談交渉を依頼すると、保険会社との交渉を弁護士にすべて任せることができるため、交渉に対する心理的ストレスから解放されます。また、慰謝料について保険会社が採用している基準と弁護士が使用する基準では金額が大きく異なり、弁護士に交渉を依頼した方が最終的に受け取れる示談金も多くなります。
よって、交通事故の示談交渉は弁護士に依頼した方がいいでしょう。
法律事務所Lapinが選ばれる理由!
弁護士といっても、交通事故に精通している弁護士や、交通事故案件をあまり担当したことがない弁護士もいます。そして、交通事故の示談交渉では、交通事故の専門的知識や、保険会社との交渉経験等、弁護士においても知識の差によって結果が変わってしまいます。
法律事務所Lapinでは、交通事故の被害者側の依頼を500件以上担当した弁護士が交通事故の示談交渉を対応しますので、交通事故の専門的知識や経験は、他の弁護士に引けを取りません。
また、大手で大量に事件処理を行っている事務所では、事務員が担当として就き、弁護士となかなか話ができないケースもありますが、法律事務所Lapinでは弁護士が依頼者との連絡を行いますので、そのような心配はございません。
法律事務所Lapinでは弁護士費用特約も利用可能!
自身の保険や、ご家族の保険に弁護士費用特約が付帯している場合には、それを利用することによって、基本的に自己負担なく、弁護士に交通事故の示談交渉を依頼することができます(弁護士費用の300万円まで保険会社が負担するため)。また、弁護士費用特約はノンフリート等級なので、翌年の保険料にも影響はありません。
法律事務所によっては、報酬基準の違いで弁護士費用特約を利用できない場合もありますが、法律事務所Lapinでは基本的に弁護士費用特約を利用してご依頼いただくことが可能です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
自分で示談交渉する際のポイントが理解できたでしょうか。
まとめると、示談交渉する際の6つのポイントは
- 事前に資料を準備する
- 主張の根拠を示す
- 冷静に対応する
- 適当な回答はせずに後日回答にする
- 治療終了して損害額がすべてわかってから交渉する
- 時効期間には注意
となります。
また、示談交渉に行き詰まった場合には、一度弁護士に相談してみましょう。
投稿者プロフィール
-
法律事務所Lapin代表弁護士。東京弁護士会所属。
都内大手の法律事務所2か所で勤務し、法律事務所Lapin(ラパン)を開設。依頼者が相談しやすい弁護士であるよう心掛けており、もっぱら被害者の救済のために尽力している。
主な取り扱い分野は、交通事故、相続、離婚、養育費、不貞慰謝料、B型肝炎訴訟、労働問題、削除請求、刑事事件、著作権侵害事件。
特に交通事故については、累計500件以上の解決実績がある。
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