交通事故慰謝料・示談金は原則非課税!税金がかかる4ケースを解説
交通事故で慰謝料や示談金を獲得できるが、税金がかからないか疑問ではありませんか。実は、交通事故で獲得できる慰謝料には、基本的には税金はかかりません。したがって税務申告、確定申告も不要です。
もっとも、例外的に税金がかかるケースもあります。
この記事では税金がかからない理由と税金がかかる4つのケースを解説してます。
目次
交通事故の慰謝料には原則として税金はかからない
税金は、基本的に金銭を受け取った側が利益を得た場合にかかります。交通事故の損害賠償金は、あくまで被害者が被った損害を金銭的に補填する目的で支払われるものであり、被害者が利益を受けるわけではないため(交通事故がなかった場合と同じ状態に戻るだけなので)税金はかかりません。
慰謝料も、被害者の精神的苦痛を補填するものであり、金銭が支払われたとしても被害者が得をするわけではないため、慰謝料に対しても税金はかかりません。
交通事故で獲得した賠償金のうち、税金がかかる4つのケース
上記のように、損害賠償金は損を補填する目的であるので、基本的には税金がかかりませんが、ここでは例外的に税金がかかってしまう4つのケースを解説します。
過剰な慰謝料が支払われた場合
通常の慰謝料は、被害者の精神的苦痛を補填するために支払われるので、被害者が得をしないという考えから税金はかかりません。もっとも、被害者が受け取った慰謝料があまりにも高額で、被害者の負った精神的苦痛をはるかに超えた賠償がされたと考えられる場合には、損を補填するという範囲を超えてしまっているので、例外的に税金がかかる場合があります。
示談成立後に被害者が死亡した場合
基本的には、被害者が加害者から受け取る損害賠償金には税金はかかりません。もっとも、被害者が賠償金を受け取った後に死亡してしまった場合には、被害者が保有していた賠償金は相続の対象となり、相続財産が基礎控除の範囲を超えるようであれば、損害賠償金に対しても相続税がかかることがあります。
死亡保険金を受け取る場合
被害者が死亡した場合に、被害者が生命保険に入っており死亡保険金を受け取る場合には、原則として税金がかかります。かかる可能性のある税金は、所得税、相続税、贈与税のどれかとなります。
商品代の弁償を受けた場合
基本的には、手荷物等の価値を賠償してもらっても税金はかかりませんが、それが商品である場合には、商品の代金相当額の賠償を受けることにより、商品を販売して利益を受けたのと変わらない利益を受けることになるので、税金がかかります。
基本的に慰謝料に税金はかからないので、しっかりと慰謝料請求しよう
上記のように、損害賠償金に税金がかかるケースは稀であり、基本的には税金はかからないと考えて問題ないでしょう。
特に個人の場合には、過剰な慰謝料が支払われないと税金はかかりませんが、過剰な支払いを行ってくる加害者や保険会社がまずいませんので、個人の方が税金の心配をする必要はないといっていいでしょう。
したがって、税金がかかってしまうかもと低額な慰謝料で示談するのではなく、弁護士に依頼するなどして、しっかりと慰謝料を請求するようにしましょう。
なお、弁護士に交通事故の示談交渉を依頼するメリットについては、以下の記事で解説しています。
まとめ
いかがだったでしょうか。慰謝料には基本的に税金がかからないと理解できましたでしょうか。
特に個人で慰謝料に税金がかかるケースはほとんどないので、税金のことは気にせずしっかりと慰謝料を請求するようにしましょう。
投稿者プロフィール
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法律事務所Lapin代表弁護士。東京弁護士会所属。
都内大手の法律事務所2か所で勤務し、法律事務所Lapin(ラパン)を開設。依頼者が相談しやすい弁護士であるよう心掛けており、もっぱら被害者の救済のために尽力している。
主な取り扱い分野は、交通事故、相続、離婚、養育費、不貞慰謝料、B型肝炎訴訟、労働問題、削除請求、刑事事件、著作権侵害事件。
特に交通事故については、累計500件以上の解決実績がある。
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