【記入例付】休業損害証明書の書き方!必要書類も解説

書き方

交通事故で仕事を休むことになったので保険会社に休業損害を支払ってもらうために休業損害証明書をもらったが、どうやって書けばいいのだろうか。
変なことを書いたら損してしまうのだろうか・・・

休業損害を請求するためには、勤務先に休業損害証明書を記載してもらう必要があります。

そして、休業損害証明書の書式はある程度決まっており、記載方法も決まっています

また、適切な情報を記載してもらわなければ、適切な休業損害を受け取ることができなくなってしまいます

この記事では、休業損害証明書の書き方、休業損害証明書の記入例と計算方法、提出する際の必要書類、水増し請求した場合等について解説しています。

この記事でわかること

  • 休業損害証明書の書き方
  • 休業損害証明書の記入例と計算方法
  • 休業損害証明書を提出する際の必要書類
  • 水増し請求等をした場合の対応

休業損害証明書とは

疑問

まず、休業損害とは、事故の怪我や通院のために仕事を休み、給料が支払われないことに対する賠償のことです。

なお、有給休暇を取得した場合や主婦の場合には、減収がなくても休業損害を請求できます。

そして、会社員・パート・アルバイト・会社役員が休業損害を請求する際には、勤務先に、休業損害証明書を作成してもらう必要があります。

休業損害証明書は、保険会社に「休業損害を請求したい」旨伝えればもらえますし、下記の書式をダウンロードしてもらってプリントアウトしたものを使用してもらっても大丈夫です。

休業損害証明書の書き方

休業損害証明書は、基本的には会社員、アルバイト・パート、会社役員、公務員が休業損害を請求する際に、勤務先に記載してもらう書類のことです。

休業損害証明書の書式は保険会社によって多少異なりますが、基本的には以下のような書式です。

休業損害証明書

①の欄は休業した期間を記載する欄になります。

連続休業ではなく、数日おきに休業した場合でも、最初に休業した日と最後に休業した日を記載してもらいましょう。

なお、毎月休業損害証明書を作成してもらう場合には、記載してもらう期間のみを対象として休業の始期と終期を記載してもらいましょう。

②の欄は、休業(欠勤)した日数、半休(半日欠勤)した日数、有給休暇を取得した日数、遅刻・早退した総日数を記載してもらいましょう。

なお、毎月休業損害証明書を作成してもらう場合には、記載してもらう期間のみの日数を記載してもらうようにしましょう。

③の欄は、実際に給料した日を特定するための表になっています。休業(欠勤)の場合は〇、有給休暇の場合には◎、半日休暇なら〇に斜線、半日有給休暇なら◎に斜線、遅刻・早退した日は△、勤務先の所定休日には×、を記載してもらいましょう。

何も記載していない日は出勤した日となります。

なお、休業損害を3か月以上請求する場合には、この用紙をコピーして、続きを記載してもらうようにしましょう。

④の欄は、休業(欠勤)した日に給料を支払ったかどうかを記載します。

会社の特別な計らいで給料をもらっている場合には、損害がないとして休業損害を請求できません。

⑤の欄は、事故前3か月間の給料、稼働日数を記載してもらう欄になります。

「本給」とは基本給のことで、「付加給」とは手当や残業代のことと理解すれば足ります。

また、社会保険料等を差し引いた「差引支給額」が手取り金額のことです。

この欄を参考にして休業損害の日額を計算します。

⑥の欄は、労災や傷病手当金などを受け取っている場合に、その金額を記載する欄になっています。

休業損害を請求する際には、労災から支給された休業補償給付や傷病手当金は控除することになっているため、受領している場合にはこの欄に記載が必要です。

最後に、勤務先の担当者名等を記載してもらって完成です。

なお、裏面には、遅刻・早退した日の時間を記載してもらうことになっています。

休業損害証明書の記入例と計算方法

上記で休業損害証明書の記載方法はわかったかと思いますが、この章では、実際の休業損害証明書の記入例を見ながら、休業損害の計算方法を解説します。

休業損害証明書

この休業損害証明書では、会社員の「法律太郎」さんの、2023年2月1日~2023年3月17日までの休業損害について記載しています。

休業損害は、日額×休業日数という計算式によって算定します。

休業日数は、②の記載から欠勤12日、年次有給休暇10日、半日欠勤4日(全日欠勤2日と換算)なので、合計26日となります。

実際の欠勤日等は③の表から確認できます。

なお、欠勤日に給料が支払われていないことは、④に「イ 全額支給しなかった」となっていることからわかります

日額は、⑤の欄に記載された事故前3か月間の「支給金額」を合計し、90で割ったものが日額となります。なお、付加給には残業代も含まれていますので、実質的に残業代分も請求出来ていることになります。

今回は便宜上、社会保険料等の記載は省略していますが、記載してあったとしても「支給金額」の欄のみを参照します。

事故前3か月の給料の合計は、127万4100円となります。これを90で割ると日額は、1万4157円(127万4100円÷90)となります。

なお、日額を稼働日数で算定する場合には、2万1595円(127万4100円÷59日)となります。

労災保険や傷病手当金が支払われていないことは、⑥の欄からわかります。

したがって、この場合の休業損害の金額は

1万4157円×26日=36万8082円

となります。

休業損害証明書を提出する際の必要書類

提出

休業損害を請求する際には、上記のような休業損害証明書を勤務先に作成してもらって提出することになります。

そのほかに、勤務先で働いていた証拠として、事故前年度の源泉徴収票も要求されます。

休業損害の請求に必要な書類

  • 休業損害証明書
  • 事故前年度の源泉徴収票

源泉徴収票がない場合

休業損害を請求する際に事故前年度の源泉徴収票が必要だとしても、源泉徴収票を提出できない人もいます。

この章では、源泉徴収票を出せないケースごとに、必要な資料について解説します。

  • 勤務して間がない
  • 業務委託契約の場合

勤務して間がないケース

勤務して間がない場合には、事故前年度の源泉徴収票を提出することができません。

このような場合には、勤務先で働いていることを証明する資料として、雇用契約書や労働条件通知書などを提出することになります。

保険外交員等、業務委託契約のケース

保険外交員等、業務委託契約を締結している場合には、会社が源泉徴収を行わないので、源泉徴収票を発行してくれません。

この場合には、税務申告のために確定申告を行っていると思いますので、確定申告書や会社からの支払調書を提出するようにしましょう。

勤務先が休業損害証明書を記載してくれない場合の対応

勤務先が休業損害証明書の重要性を理解せず、休業損害証明書を記載してくれないこともあるかと思います。

その場合には、被害者の方で休業損害証明書をある程度記載して勤務先に署名押印だけ求めたり、休業損害証明書以外の方法で休業したこと等を主張立証する必要があります。

もっとも、これらの方法はかなり例外的であり、それで保険会社が休業損害を支払ってくれるかも不明ですので、そのような場合には弁護士に相談するようにしましょう。

休業損害はいつもらえるのか

休業損害は損害賠償金の一種ですので、原則として治療が終了し、示談交渉を行い、示談成立後に慰謝料等と一緒にまとめて支払われます

もっとも、休業損害をもらえないと生活費が足りなくなり、普段の生活にも影響が生じてしまいます。

なので、休業損害については、例外的に示談成立前に支払ってもらうことも可能です。

具体的には、通常の給料の支払いと同様、毎月保険会社に休業損害証明書を提出することによって、毎月休業損害を支払ってもらえる場合があります。

この場合には、月末に資料を提出し、そこから保険会社が審査・計算を行い、1~2週間程度で毎月の休業損害が振り込まれることになります。

休業損害の支払時期については、こちらの記事でも解説しています。

休業損害はいつもらえる?支払時期と早く受け取る4つの方法を解説

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休んでいないのに休業損害を請求したり、水増し請求をした場合の対応

休んでいないのに欠勤したことにして休業損害を請求したり、休業日数を水増しして休業損害を請求することは、保険金詐欺等の犯罪になりえます。

また、休業損害証明書の記載に不審点がある場合には、保険会社から勤務先に調査が入ったりもします。

このような請求をしても、バレた場合のリスクが高すぎますので、あくまで休業損害として請求できる分のみ請求するようにしましょう。

交通事故の相談は法律事務所Lapinへ!

専門家に相談する

交通事故の被害に遭ってしまった場合には、適切な対応を行わなければ、適切な休業損害を受け取れない、示談金を低く見積もられてしまうなどの不利益を被ってしまいます。

そして、保険会社との交渉では、慰謝料の計算や、その他の損害額の計算、過失割合の交渉など、専門的な知識が求められることになります。

したがって、交通事故の示談交渉は弁護士に依頼した方がいいでしょう。

法律事務所Lapinが選ばれる理由!

弁護士といっても、交通事故に精通している弁護士や、交通事故案件をあまり担当したことがない弁護士もいます。そして、交通事故の示談交渉では、交通事故の専門的知識や、保険会社との交渉経験等、弁護士においても知識の差によって結果が変わってしまいます。

法律事務所Lapinでは、交通事故の被害者側の依頼を500件以上担当した弁護士が交通事故の示談交渉を対応しますので、交通事故の専門的知識や経験は、他の弁護士に引けを取りません。

また、大手で大量に事件処理を行っている事務所では、事務員が担当として就き、弁護士となかなか話ができないケースもありますが、法律事務所Lapinでは弁護士が依頼者との連絡を行いますので、そのような心配はございません。

法律事務所Lapinでは弁護士費用特約も利用可能!

自身の保険や、ご家族の保険に弁護士費用特約が付帯している場合には、それを利用することによって、基本的に自己負担なく、弁護士に交通事故の示談交渉を依頼することができます(弁護士費用の300万円まで保険会社が負担するため)。また、弁護士費用特約はノンフリート等級なので、翌年の保険料にも影響はありません

法律事務所によっては、報酬基準の違いで弁護士費用特約を利用できない場合もありますが、法律事務所Lapinでは基本的に弁護士費用特約を利用してご依頼いただくことが可能です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

休業損害証明書の書き方がわかりましたでしょうか。

休業損害証明書は勤務先に書いてもらうものですが、勤務先も休業損害証明書の記載方法を理解できているわけではありません。

休業損害証明書に必要事項を記載してもらえないと、被害者の方が損しますので、被害者の方でも休業損害証明書の書き方を理解しておくようにしましょう。

休業損害証明書の書き方や請求方法についてわからない場合には、一度は弁護士に相談するようにしましょう。

投稿者プロフィール

弁護士
弁護士 河井浩志
法律事務所Lapin代表弁護士。東京弁護士会所属。
都内大手の法律事務所2か所で勤務し、法律事務所Lapin(ラパン)を開設。依頼者が相談しやすい弁護士であるよう心掛けており、もっぱら被害者の救済のために尽力している。
主な取り扱い分野は、交通事故、相続、離婚、養育費、不貞慰謝料、B型肝炎訴訟、労働問題、削除請求、刑事事件、著作権侵害事件。
特に交通事故については、累計500件以上の解決実績がある。